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撥音 から転送)
平仮名
文字
字源无の草書体
JIS X 02131-4-83
UnicodeU+3093
片仮名
文字
字源无の変形
JIS X 02131-5-83
UnicodeU+30F3
言語
言語{{{言語}}}
ローマ字
ヘボン式N、M
訓令式N、N'
JIS X 4063{{{JISX4063}}}
アイヌ語{{{アイヌ語}}}
発音
IPAn
種別
清音

五十音図
いろは順

「ん」の筆順
「ン」の筆順

は、日本語仮名のひとつである。この音は、撥音(はつおん、はねるおん)と呼ばれ、1モーラを形成するが、通常は子音であり、かつ、直前に母音を伴うため、単独では音節を構成せず、直前の母音と共に音節を構成する。ただし、「ん?」などのように語頭にある場合は、母音に代わる音節の核、すなわち音節主音として、単独で音節を構成する。したがって、鼻母音以外に発音される限り、すなわち子音である限り、「ん」は音節主音的な子音である。「ん」は元来五十音には現われないが、一般にわ行の次に置かれる。

目次

[編集] 音韻

現代標準語の音韻: 日本語を母語とする日本語話者にとっては「ん」はひとつの音、すなわち音素 /N/と認識される。しかし、実際の発音は次項で述べるように前後の音や速度、話者により、[n](IPA)、[m](IPA)、[ŋ](IPA) = [N] (X-SAMPA)(gの舌の形での鼻音、またはガ行鼻濁音の子音)、[ɲ](IPA) = [J] (X-SAMPA)(ニャ行の子音)、その他鼻母音などが用いられる。ただし、どの発音を用いても意味上の違いは生じない。

[編集] 音声学的記述

音声学上の実際の発音: 前項で述べたように「ん」はさまざまに発音される。

  • 後続音が破裂音破擦音および鼻音のように口腔内を通過する空気を完全に閉鎖する子音の場合 - それと同一の調音位置の鼻音。(m)
  • 後続音が側音として発音されるラ行音・リャ行音の場合はそれと同一調音位置の鼻音化された側音。
  • 後続音が摩擦音弾き音として発音されるラ行音・リャ行音、半母音または母音の場合 - それと同一調音位置の鼻母音に発音される。(n)

いずれも逆行同化により、「ん」の調音位置と調音様式は後続音の影響を受ける。

  • 後続音のない「ん」は鼻音または鼻母音に発音され、その調音位置は話者の任意となるが、この場合は進行同化によって先行する母音の影響を受け、先行する母音の舌の位置が前方に寄っていれば歯茎鼻音または調音位置が歯茎近辺の鼻母音になり、後方に寄っていれば軟口蓋鼻音または調音位置が軟口蓋近辺の鼻母音になることが多い。
  • 先行音も後続音もない単独の「ん」も鼻音または鼻母音に発音されるが、この場合の調音位置はまったく話者の任意となる。

[編集] 順序

  • 五十音順: 厳密には、「ん」は五十音に含まれないが、通常は、「ん」を含めて五十音順とすることが多い。その場合には、「ん」は五十音の最後、第48位に置かれる。や行い段え段およびわ行う段を数に加えると51位、逆に現代仮名遣いで使われないを除くと46位となる。
  • いろは順: なし。第48位に「京」の代わりに置かれることがある。その場合には「」の次。

[編集] 表記

[編集] 「ん」に関わる諸事項

  • 一般に日本語(共通語)には「ん」より始まる単語は存在しない(ただし以下の例の通り、意図的に作られた固有名詞などには例外がある)。
    • いろは四十八組に「ん組」は存在しなかった。最後に追加された48番目の組は「本組」と称した。
    • しりとり遊びにおいては、次につなげられないために、「最後に『ん』のつく言葉を言った者が負け」というルールになっていることがふつうである。
    • 発音が聞き取りにくいため、日本の自動車用ナンバープレートには「ん」が用いられない。
    • 五味太郎作の絵本に「んんんん」という作品がある。
    • 岡山県倉敷市児島には、「ん書店」という書店が存在する。
  • 日本語以外の言語に於いても、「ン」から始まる言葉は少ない。ただしこれは外国語音を日本語でどう捉えるか、仮名でどのように表記するかという問題とも関連するため、その多寡を単純には結論づけられない(外国語の単語を仮名表記する際、基本的には鼻音で始まり後続する音が母音でない場合に、「ン」で始まる言葉として表される)。
    • 日本では琉球語に「ン」から始まる単語が多数見られ、中でも与那国方言において顕著である。
    • 本来「」「」は「ンマ」 (mma)「ンメ」 (mme) と発音されており、それが方言として残っている地方もある。また、これらはいずれも大陸からの移入種であり、遡れば中国語の「マー」「メイ」という発音にたどり着く。
    • 中国語の方言である広東語には「ng」および「m」という音節が存在する。例えば名字によくある「呉」の発音は「ng」であり、香港の喜劇俳優「呉孟達」の名前を片仮名表記する場合「ン・マンタッ」と書く。
    • 台湾語閩南語)で「黄」の発音も「ng」である。
    • インドネシアバリ島の玄関口であるデンパサール国際空港の正式名称は、ングラライ国際空港 (Bandara Internasional Ngurah Rai / Ngurah Rai Airport) であり、これは独立戦争の英雄グスティ・ングラ・ライに因んでいる。ただしこれについては、「グラライ」の片仮名表記もまた存在する。
    • アフリカではンジャメナンゴマンゴロンゴロキリマンジャロ(Kilima-Njaro)、ユッスー・ンドゥールなど「ン」から始まる名前・単語が存在する。ただし「ン」の代わりに、「ウン」、「エン」、「ヌ」、「ム」に置き換えられることがある。(エムボマエンクルマヌデレバタボ・ムベキ)
  • 某という言い換えと同様に、内容をぼかす用法がある。例:数千円のことを「ん千円」と言うなど(ただしこれは口語的表現で、文章の場合は「うん千円」などとするのが伝統的表記)。
  • な行音などが「ん」に変化する(音便)ことを、撥音便という。
    • 例:「〜なです」⇒「〜なです」、「ぼく家(うち)」⇒「ぼくち」、「せとす」⇒「せとす」、「〜なめり」⇒「〜なめり」
    • 方言の例:「あるの?」⇒「あんの?」または「あるん?」、「あるので」⇒「あるんで」
  • 「はねる音」「撥音」と呼ばれるのは、平仮名の「ん」、片仮名の「ン」ともに字形が「撥ねている」からであり、促音(つまる音、『っ』)が音声上の特徴から命名されているのとは異なっている。
  • 日本発祥の医薬品の多くに「ン」で終わる商品名がつけられる。これは西洋医学で用いられる化合物の名称が「ン」で終わることが多かったため。

[編集] 日本語の「ん」

  • 「ん」という文字が使われるようになったのは室町時代頃とされるが、詳しい時期についてはわかっていない。
  • したがって、それよりも前の時代には「ん」という文字は無く、平安時代には、「む」が代用的に使われた。
  • 本来「」「」は「ンマ」 (mma)「ンメ」 (mme) と発音されており、それが方言として残っている地方もある。古典的仮名遣いでは、「馬」は「むま」と書かれた。
  • 近年の口語では「そんな」という単語を「んな」と省略して発音する事が増えている(用例:んな事あるわけ無いだろう)。だがこれは、文頭に来る事の無い「ん」という文字が文頭にて使われているため、日本語の発音及び文法としては誤った使い方に分類される。

[編集] 関連項目

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